リンクタイプとは終点アンカーの性質、言い換えると何故リンクしているかを表すキーワードである。例えばあるリンクにAlternateというタイプが指定されていれば、それはこの文書の代替となる文書であるが故にリンクしていることを示すことができるといったように、文書と文書との論理的関係「何故」を表すものであって、(例えばアフィリエイトのような)著者の都合によるリンクを表すものではない。
リンクタイプは全てCase-Insensitiveであり、大文字、小文字の区別はない。例えば「Alternate」と「alterNate」は同じキーワードとして解釈される。
リンクタイプは、ブラウザ等のユーザエージェントが終点アンカー(リンク先)をどのように扱うかについて判断する資料となり得る。HTML4.01では次のものが定義済みである。
「代替リソース」の意であるが、これのみでは殆ど意味を成さない。
<link rel="alternate stylesheet" href="./doc.css" type="text/css">
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リンクタイプ「Stylesheet」との併用は代替スタイルシートであることを示す(例1-1)。
<a href="en_doc.html" lang="en" rel="alternate"> この文書の英語版</a>
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lang属性と併用することで、その言語コードの別バージョンであることを示す(例1-2)。
<link rel="alternate" href="tv_doc.html" media="tv">
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media属性との併用は、そのメディアに特化した別バージョンへであることを示す(例1‐3)。
<link rel="alternate" href="doc.rss" type="application/xml+rss">
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application/xml+rssというtype属性と併用することで、その文書の更新情報を配信するRSS feedであることを示すという事実上の標準も存在し、その文書の更新情報を見つける手がかりとするブラウザも多く存在する(例1‐4)。「代替」文書ではないので当初誤った使われ方であったが、RSSが最早更新情報ではなくRSSリーダで読むための文書であると考えるなら、代替文書と考えることもできる。しかしその場合type属性ではなくmedia属性で示すべきであっただろう。いずれにしろ、RSSとは何かが曖昧なため事実上このような形式しか取り得ないようである。
「Stylesheet」キーワードは、文書に関連付けられたスタイルシートであることを示し、link要素で用いたときにはスタイルシート適用の効果が期待される。Alternateリンクタイプ、やtitle属性との併用で様々な意味を持たせることができる。media属性、type属性との併用も重要な意味を持つ。
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「Stylesheet」キーワードでスタイルシートを明示する際には、href属性でその所在をURIで指定し、type属性にスタイルシートの形式を指定する必要がある(例2‐1)。CSSはスタイルシートの一形式に過ぎないが、CSSの場合type属性「text/css」を指定する。例2-1のようにtitle属性がない場合、固定スタイルシートとして解釈される。これは閲覧者が制作者スタイルシートを無効にしない限り適用されるスタイルシートであり、かつ後述する優先スタイルシートや代替スタイルシートと排他的な関係を持たない。即ち切り替えることはできない。
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固定スタイルシートにtitle属性を付加すると、優先スタイルシートとなる(例2-2)。これは閲覧者が特に何も選択しなかったときに、デフォルトで適用されるスタイルシートである。固定スタイルシートとの違いは、代替スタイルシートと排他的な関係を持っている点にある。
優先スタイルシートは複数あっても良いが、title属性は同じであるべきである。title属性はスタイルシートを選択する際のラベルとして利用されると同時にスタイルシートをグループ化するキーワードとしても利用され、スタイルシートは同じtitle属性を持った他のスタイルシートと共に適用される。そしてtitle属性の異なるスタイルシートとは排他的な関係を持つことになる。異なるtitle属性を持つ複数の優先スタイルシートの指定はどうやら想定されていないようであり、ユーザーエージェントの挙動も予測がつかない。
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更に優先スタイルシートに「Alternate」キーワードを加えると、代替スタイルシートとなる(例2‐3)。これは閲覧者が選択することによって適用されるスタイルシートである。優先スタイルシートとの違いは、デフォルトでは適用されないという点のみである。title属性は必須であり、代替スタイルシートを選択する人間にとって直接のヒントとなると同時に、また間接的にはユーザーエージェントによってスタイルシートのグループ化に使用される。優先スタイルシートを含め、グループ化されたスタイルシート群は相互に排他的である。即ち閲覧者があるスタイルシートのグループを選択して有効にすると、他のグループは無効になる。