Jintrick.netagenda2009年01月アーカイブ → 2009年01月31日

ナビゲーションとは何か、そしてそれは「分離」すべきなのか

WWWの文脈においてナビゲーションという言葉の意味を考えるとき、浮かんでくるのはやはり一人一人のユーザーの姿である。それぞれのユーザーの目的地(目標)に導いてやるためのインターフェイスというのがナビゲーションのエッセンスだ。

文書製作者側が提供できるナビゲーション

しかしながら、製作者側はユーザーの目的を正確に知ることができない。知っているのはユーザーがそのハイパーテキストノードを閲覧しているという事実だけであり、そこから目的地を推測するしかない。この時推測される目的地は、正にそのハイパーテキストノードと深く関係しているはずだ。そして、そのようなリソースへのリンクを提供することは、ハイパーテキストシステムにおける各ノードの主要な役割である。真のナビゲーションに接近する方法として、製作者側が取れる、あるいは取るべき手段は、そのハイパーテキストノードを中心としたリンクを提供してやることだけである。私はこのようなリンクを論理的なリンクと呼んでおり、殊更にナビゲーションと呼んでコンテンツと区別しない。何故なら、論理的なリンクはハイパーテキストノードにとってコンテンツと同義といっても過言ではないからだ。

cf. 一方で、今、一般的な意味でウェブサイトの「ナビゲーション」と呼ばれているものは何か。それは文字通り「ウェブサイトのナビゲーション」であり、ユーザーのものではない。ユーザーの目的に導くよう設計されたものではなく、ウェブサイト内をうまく渡り歩いてもらうためのものだ。もちろんベン図を描けば論理的なリンクとかぶるところもあるだろうが、指向しているもの自体が違う。

WWWブラウザが提供できるナビゲーション

WWWブラウザには、現在ユーザーに提供しているハイパーテキストノードを中心としたナビゲーション(論理的なリンク)だけではなく、WWW全体を俯瞰するような視点に基づいた総合的なナビゲーションも要求されるし、その中間的なものもあって良い。あまりにも多岐にわたるので一々例示できないが、製作者側が提供すべきナビゲーションと峻別する意味で、認識しておきたい概念だ。

WWWブラウザが提供するナビゲーションは、あらゆるハイパーテキストノードに対して同質のものを提供できるという点で製作者側それぞれのものと異なる。これはどういうことか。WWWブラウザが提供可能な、あるナビゲーションについて考えると、あらゆる場面において、製作者が用意するという手法に対して優位であることを意味している。

文書製作者が提供すべきナビゲーション

ほとんど自明だが、文書製作者が提供すべきナビゲーションは、WWWブラウザが提供していないもの(本質的には、提供「できない」もの)ということになる。

多分追記する。


webmaster@jintrick.net
公開: 2009年01月31日
カテゴリ: ウェブデザイン ,ユーザビリティ ,(ハイパー)リンク