Jintrick.netagenda2008年07月アーカイブ → 2008年07月04日

馬鹿の世界とウェブサービス、ウェブパブリッシング

より良い外部コメントサービスとは? (agenda)の続き。

前回の話を要約すると、コメント機能は第三者のウェブサービスに任せれば、コンテンツはよりシンプルになり、コメントを得られるチャンスもぐんと広がり、かつ、コンテンツの著者による改竄の恐れもなくなるなど良いことばかりだよこの野郎、ということ。つまり私が何度も何度も書いてきたことの繰り返しだが、ウェブサービスは分散されていることが望ましいということだ。

今回は前回書けなかった誹謗、罵倒について言及してみる。

どうも誹謗コメントや罵倒コメントがあるからはてなブックマークは駄目だといったような意見もあるようだ。それに対して、現実に批判や罵倒が消えることはないから、そういう馬鹿に対する耐性がなければウェブパブリッシングなど止めたほうが身の為だという意見もある。お前らは保険のおばちゃんかと。期待値(わらい)が高ければ確かにそうだ。しかしちょっと待ってくれ。それなら私だってそんな馬鹿に対する耐性などない。

どの意見も私はとても違和感を感じる。はてなブックマークのせいにするのはお門違いだし、変な「覚悟」を要求するのも保険のおばちゃん同様、大きなお世話だ。誰も書かないから書くが、馬鹿が寄ってくるのは決まって馬鹿のサイト(ブログ)だろう。馬鹿は馬鹿の下に集うのだ。普通の人が罵倒だ誹謗だと気にする必要などない。あるいは露出度の高い変人のサイトだ。一般受けを狙った「ネタ」で人を集めるだけ集めるという目的で運営されたサイトには、人が多く集まる分だけ馬鹿が混じる確率が上がる。芸能人のサイトもこれと同様だ。やはり、普通の人が普通のサイトを運営するだけで罵倒だ誹謗だと気にする必要などない。さもなくば、対立する相手に喧嘩を売りまくるうぇぶ戦士のサイトだ。人に恨みを持つと人は馬鹿に化ける。人に恨まれれば馬鹿が寄ってくるのは道理ではないか。そんな覚悟の無い普通の人が、罵倒だ誹謗だと気にする必要などない。それでも気になるというのなら、最後に冷静になって自分の身に降りかかってきた「罵倒」だの「誹謗」だのを振り返ってみるくらいのことはすべきだ。それは本当に罵倒や誹謗といえるものなのか、と。恐らくそうではあるまい。

普通の人間には全然関係の無い「馬鹿の世界」の問題を、普通の人間が一生懸命考える必要などないのだ。「馬鹿の世界」は散文的な変数。

そんなわけで、ウェブサービスのあり方を考えるとき、私は「馬鹿の世界」を前提にはしない。それは間抜けな後退を生むだけだ。ありもしないリスクの為にウェブパブリッシングを諦めるなんて愚の骨頂だし、「馬鹿の世界」に生きるごく一部の連中の為に有用なウェブサービスが規制されるなんて、そんな歯がゆいことがあってたまるか。


webmaster@jintrick.net
公開: 2008年07月04日
カテゴリ: 意見交換, 批判等