はてなブックマークは何なのか。このウェブサービスはソーシャルブックマークであると同時に、実質的にいわば「外部コメントサービス」としても機能している場合があるが、私は後者のような役割を担うウェブサービスの登場を歓迎する。なぜなら外部のサービスとして分散されていれば、肝心の記事(コンテンツ)に面倒な「コメント機能」をつけなくても済むからだ。コンテンツの著者が管理する「コメント」は、著者にとって都合が悪ければ削除されたり改ざんされる可能性もある。
私の思い描く理想的な外部コメントサービスは、分散された批判や言及をかき集める。実現可能性の最も高いのは検索サービスだろう。非リンク検索結果が今もっとも理想に近いと思う。つまりコメントする者は各々自分のサイトなりブログなり、ソーシャルブックマークのコメントやTumblrなりで勝手に発言し、第三者のウェブサービスがそれを収集して纏めるのだ。
精度を高めるために必要なのは、ハイパーテキスト、つまりハイパーリンクを記述する言語としてのHTMLの進化である。単純化して考えれば、単に「refer」というリンクタイプを新たに設ければ良いのだ。ある記事について、rev="refer"という属性を持ったハイパーリンクでリンクしている記事を検索サービスが集めるのは簡単だ。「外部コメントサービス」は、APIを通じてそれを時系列に提供すれば良いだろうし、私は大嫌いだが「ブログパーツ」のような形でコンテンツの著者が利用しても面白い。
はてなブックマークは「エントリ」単位でブックマークコメントを纏めたページを提供しているが、はてなブックマークを利用したコメントだけしか表示されずに中途半端だ。コメントするには100文字等の制限があり、言論としての価値も低い。理想には遠かれど、しかし無いよりはずっとマシだ。