A, B, C という情報ブロックがあったとします。Aはサイトナビゲーション、Bはその文書のコンテンツ、Cは関連記事へのリンクを並べたものとし、左から、A, B, C という順に「段組」されて並べられています。しばしば標準的であると言われている構成です。
さて、閲覧者は何を読みに来たのでしょうか。当然、Bを読みに来ました。左右のA, Cを無視し、まずBを読みます。
閲覧者はBを読み終わりました。さて、この閲覧者がサイト内の別の文書を見たい(情報ブロックA)、或いは別サイトの関連文書(情報ブロックC)を見たいと考えたとしたら、どうでしょうか。ここで、段組の利点が明らかになります。即ち、とりあえずページの最上部に移動すれば、それぞれの情報ブロックの始点から眺めることが出来、選択が容易になります。
情報ブロックがB and ( A or C ) の二つしかないなら、ただスクロールの手間が増すだけなので、この利点は失われます。
ただ、右(或いは左)に「関連記事へのリンク柱を設ける」という方法は、はっきりいって全然駄目です。何故なら、「どのようにその文書と関連しているのか」という最も重要な説明を妨げるからです。例えば、その「関連記事」のタイトルが長い場合、変なところで折り返されて一気に可読性が低下します。また、どのように関連しているのかをコメントすることも出来ません。実に読みにくくなります。閲覧者は、今読んでいるその文書との関連性を、ものすごく短い、あるいは読みにくいアンカー文字列から、読み取らなければなりません。
リンクする理由を読み取れないリンク、それは非常に価値の低い、広告に近いものです。
ハイパーテキストにおいて、関連している文書へのリンクはコンテンツの次に重要なものです。それを、あのような狭苦しい場所に押し込めることなど私にはできません。
縦に並べるサイトナビゲーションはどうでしょうか。これは、サイト内で一貫していることが重要です。一貫性のないサイトナビゲーション程紛らわしいものはありません。それらの維持管理に自信が無いなら、止めて置いた方が良いと思います。
私の場合、自分のサイトに閲覧者を封じ込めたくないというか、むしろどんどん別のサイトの関連文書を見てもらいたいと考えていますので、サイトナビゲーションは最低限に抑えます。文書の立場に立って考えた結果です。その文書にとって、自分が所属している(あるいは製作者に勝手に所属させられている)ウェブサイトのことなんか、別にどうだっていいのです。その文書の目的は、自分を理解してもらうことです(参照:ウェブサイトを否定するメモ)。もちろん自分のサイト内にも関連文書があるかもしれませんが、そのときは、他サイトのそれと同じように扱えば良い話です。
因みに、このサイトのパン屑ナビゲーションはサイト内における位置を示すことが目的であり、情報の具体性のレベルを示す為のものです。サイトの紹介を目的とするものではありません。
私はウェブサイトを軽視しているわけではありません。ウェブサイトをアピールする、適切かつ自然な、または唯一の普遍的な方法が、各文書の立場に立ってものを考えることであると信じています。その根拠、あるいは「何故文書を主体に考えねばならないのか」については、ここに書ききれない程の膨大な理由が存在しますので、また別の機会に書きます。
コンテンツを効率よく配置できる」という意見。「本文」が無く、情報ブロックそれぞれがコンテンツである場合に真。当サイトのホームページでもやっている。