Jintrick.netagenda2001年10月アーカイブ → 2001年10月28日

頭が真っ白

つい先ほど、ちょっとした買物があったので、外は冷えていたものの軽装でコンビニまで行ってきた。雨上がりでコンクリート塀が不気味に湿った路地裏を歩いていると、なんとなく白っぽくて丸い物体がそのコンクリート塀から覗いている。なにか嫌な予感がしたが、近づくと、髪がぼさぼさの女がしゃがんでブツブツ独り言を言っているではないか。その女の横を通り過ぎなければならないのがたまらなく嫌だったが、見ないフリをしてそのまま歩いていった。電灯の光は女の向こう側からこちらに向っていたので、通り過ぎた後振り返ればその女の顔がはっきり見えるはず。

ところで、私は怖いものが大嫌いだ。どういった質の「大嫌い」かというと、「リング」が恐くてたまらなかったので、貞子の顔をスローモーションで何度も何度も繰り返し見て克服しようとした、そういう質の「大嫌い」である。つまり恐いと思ってしまう自分の精神的弱さが嫌いなので、そいつを徹底的に否定できないと気が済まないのだ。というわけで、自分の精神力を試すためにホラー映画はよく見る。

そんなわけで、結局私は振り返ってしまった。あの時振り返っていなかったなら、多分書くことは無かっただろう。というのも、その女は私を睨んでいた。その激しさといったら、もう忘れられないような物凄い形相で睨んでいたのであって、私は生まれて初めて頭が真っ白になるという体験をした。なんというか、血圧が高くなったのか低くなったのか分からないが、とにかく頭に血の流れの変化をはっきりと感じた。耳鳴りも起った。それでも冷静を保って、とにかく普通に通り過ぎた。ただ、自分の耳に全神経を集中させた。その女がもし一歩でもこちらに向って歩き出したことを音で確認できたなら、全速力で逃げる準備をしつつ。

で、辛かったのは帰宅した後だった。あの女がいた場所から、自宅までは200メートルも無い。風呂に入っている間中、あの顔が頭から離れず、もし風呂の窓からこちらを睨んでいたらどうしようとか、もうそれしか全く考えられなかった。

【全裸盆踊り大会のお知らせ】というスパムメールが届いていた。普段なら怒るところだが、何故かほっとした。


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公開: 2001年10月28日
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