よく「自己満足のため」だという自嘲気味な意見を目にする。大概そういうことを言う人間に限って、他者も同列に扱うようだ。だがこれは全く馬鹿げている。それは何故か。人の自発的行動は、すべて自己満足だからである。
他者を満足させるために生きている人間も世の中にはいるかも知れない。というか、そういう人間を知っている。しかしそれさえ、自分を満足させる行為である筈だなぜなら、あらゆる動機は欲求に基づくからである。
要するに、自己満足というのは、生の営みの大前提なのであって、さも悟ったかのように遊説する人間はそんなことも知らずにいるのである。従って、人が「目的」をあえて考察する時には、「自己満足以上の何か」を見つめるべきであろう。さもなければ全くの時間の浪費になってしまう。そして自分の尊厳を自分で貶めることになる。ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら。
人の気高さというのは、自己満足を超越しなければ得られないものである。私は自嘲を激しく嫌う。
さて、人はウェブサイトを構築するに当たり、何かを求めている筈だが、自分が何を求めているかを知るには考えられ得る対象を片っ端から検証してみれば良い。
私の場合、まず金銭目的ではない。名声を求めているわけでもないし、読者の反応が欲しいわけでもない（今のところ宣伝行為はほとんどしていない）。情報を提供したいという気持ちが無いわけでもないが、提供している（しようとしている）情報はすべて自分の為に集めたものである。ただ文章が書きたい。ほとんどそれだけ。
ではなぜ日記帳ではなく、ウェブという媒体を用いるのか。実は自分の考えが他者の目に晒されることを暗に望んでいる。そこに責任が生ずるからだ。緊張感があるというのは、良い文章を書くのに都合がよい。
ではなぜ良い文章を書きたいのか。良い文章を書くことは、自分をより正確に見つめることである。自分が何を考えているか、何を求めているかをより正確に知ることである。
私は、自分を知るためにウェブサイトを構築しているのである。