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コンテクストメニューの役割

A Successful Failure - SleipnirユーザのためのFirefox乗り換えの手引き経由でMenu Editor :: Firefox Add-ons。これでコンテクストメニューをスリム化できたので改めてコンテクストメニューについて述べておく。

コンテクストメニューは、ポイントされているオブジェクト、または位置に関する操作を行う為のメニューに絞るべき。なぜなら、それ以外の操作はメニューから行うことが容易であり、かつ、ポイントされたオブジェクトに関する操作はポインティングデバイスから選択するのが最も容易だからだ。

また、そのような棲み分けをすることによってUIに関する整った(正しい)メンタルモデルも確立される。ポイントした何かについての操作をしたいとき、そのときに限りコンテクストメニューを思い出せばよくなり、何でもかんでもコンテクストメニューで行おうとする場合に比べて手順の道筋が整う。行う操作の種類が多くなったとき、この整ったメンタルモデルは非常に重要になるはずだ。すなわちタスクを完了させるまでの手順をユーザーが予測しやすくなるということ。

というか、「何故コンテクストメニューなのか」を全く考えないまま、直感的に便利だからという理由でコンテクストメニューに機能を詰め込んでいると思われるアドオンが多すぎ。「ポイントしなくても良い操作なら、コンテクストメニューにしてはならない」くらいの制約をまず課して考えてほしい。

今回の話もまた、天秤の話だ。確かにコンテクストメニューは「厨房」にとって便利だし、実際便利な場面も多々ある。コマンドにアクセスするプロセスが短くて済むのだから。しかし本来そのメニューに位置していなければならないコマンドを圧迫し、かつ、メンタルモデルを複雑化してまでして得るべき利便性なのかどうか、天秤にかけるべし。

ちなみに「戻る」「進む」のような非常に良く使う機能はRocker Gestureに割り当てるなど別の更に高速かつ適切な方法で実現すると良いだろう。ロッカージェスチャこそ必要 (kuruman.org > Kuruman Memo)を見ると必要と思っていないユーザーが多いらしいが、2ボタンマウスのような一般的なポインティングデバイスを想定するなら、あり得ない結果である。

ちなみにマウスジェスチャに関しては、同様に「移動」や「大きさの変更」に関連する操作に特化させると良い。軌跡を描くという行為は「移動」と直感的に結びつく故。マウスジェスチャを使ってアプリケーションを起動させたりすると、メンタルモデルが複雑化する。自分の脳内も最適化し、もっと大局的に使いやすさを考えようではないか。なんつって。


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公開: 2007年08月17日
カテゴリ: ユーザビリティ