Jintrick.netagenda2002年06月アーカイブ → 2002年06月06日

IMG要素のwidth属性、height属性は物理属性か、論理属性か

私の主張とは全く別の側面から、width属性、height属性が見た目以外の役割を果たす場合を例示されています。

この a / area の shape / coords は、img (あるいは object) の width / height に対応して記述されるものです。width="100" height="100" の img に対する coords="0, 0, 50, 50" と width="200" height="200" の img に対する coords="0, 0, 50, 50" では全く意味が異なってしまう以上、shape / coords の定義されている(すなわち width / height が論理的な意味を持ちうる) HTML では、img の width / height を明示すべきと考えた方が良いと思います。

http://math.oheya.to/markup/notes/0206.html#day02-2 より

width属性、height属性の値によっては、shape、coords両属性の持つ意味が異なってくる、という特殊な例ですが、両属性の性質を再考する上で良い例かと思われます。私は思索する機会を得、おかげ様で完全に迷いを吹っ切ることが出来ました。

ちなみに、HTML鳩丸倶楽部では、CGI やコンテント・ネゴシエーションによって違うサイズの画像が得られたりするようなケースが挙げられています。が、これは制作者の意図する視覚情報のサイズが不定のため、記述できないだけです。不定であることを示す値はありませんから、記述すべきでないというより、できないと考えた方が良いと思います。すべきでないとは一言も書かれていませんが。……その辺はさすがというか。

IMG要素のwidth属性、height属性が論理属性であることを論証してみる

(注意:W3Cに喧嘩を売る内容です)

定義

IMG要素の内容

IMG要素は空要素であり形式的には内容を持たないが、制作者がIMG要素を用いて何を伝えようとしているか、それが本質的な内容であるから、「画像を用いた視覚的な情報」がIMG要素の内容である。

いや、IMG要素の本質的内容は画像データそのものである、とする場合、以下成り立ちません。

width属性及びheight属性と、内容との関係

画像本来のサイズが、その性質の一部であることは自明である。

ここで、制作者の上書きしたサイズが、論理属性の定義を満たす(情報の内容の性質であると言える)かどうかを検証する。

制作者は、IMG要素を用いて、ある視覚的な情報を伝えようとする。その視覚情報の性質は、制作者の意図に基づく筈である。画像のサイズを変更しようと考えた際、PhotoShopで画像を拡大・縮小することと、width属性値、height属性値を変更することに、どれほどの違いがあろう。つまり、制作者が伝えようとする情報が内容なのであって、その性質を属性値に収めることは情報を伝える行為に直結する。

従って、制作者が上書きしたサイズは、情報内容の性質であるといえる。

結論

以上より、IMG要素width属性height属性は(情報の内容の性質を伝えるものであるから)論理属性である。

三段論法(まとめ)

  1. 論理属性とは、情報内容の性質を伝えるものである
  2. IMG要素のwidth属性、height属性は、情報内容(画像を用いたグラフィカルな情報)の性質を伝える
  3. ゆえに、IMG要素のwidth属性、height属性は、論理属性である

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公開: 2002年06月06日
カテゴリ: HTML ,意見交換, 批判等