Jintrick.netagenda2001年09月アーカイブ → 2001年09月18日

ユーザー本位と製作者本位、メモ

ユーザー至上主義

ユーザー至上主義者にとっての「コンテンツ」とはユーザーのための商品(モノ)であるから、完成されていることが望ましい。モノの価値はユーザーが決めるものであり、上がったり下がったりする。したがって、アクセス解析は重要である。全てのコンテンツにアクセス解析を仕掛け、人気のあるコンテンツを把握しておくのはほとんど義務である。

コンテンツという食事、ユーザビリティという居心地の良い座席でもって如何に多くの客を寄せ、常連にしてしまうかというのが、ユーザー本位のウェブサイト構築の考え方の本質である。手段としてはまずコンテンツの充実が挙げられ、次にユーザビリティと来る。マイノリティに目を向けることは非効率であって、大多数の客に、質の良いサービスをするのが効率的である。従ってユーザー至上主義者は、アクセシビリティに一定以上の興味を示さない。居心地の良い座席や、店内の景観は、運営者が一切を管理する(できると思っている)。信頼を得るには、ブランドイメージが重要なことは常識だからである。

ユーザー至上主義者は、コンテンツが重要であると考えるのであれば、「誰もが簡単に作れる環境が大事」などと嘘をついてはならない。「コンテンツの濃い」ウェブサイトは誰にでも簡単に作れるものではないからである。

製作者至上主義

製作者至上主義者にとっての「コンテンツ」とは人間そのものであり、いかに自分を表現できているかが重要である。それゆえコンテンツの価値は、作った本人にもサッパリ分からない。

製作者至上主義は、多様な思想を重んじる。思想その他を様々な環境下の人々に正しく伝えたいという当たり前の欲求に基づいて自然とアクセシビリティが向上し、マイノリティは排除されない。また、自分の思想を整理しようとした結果、ある程度のユーザビリティが生まれる。それらを可能にしてくれるのが諸々の標準規格であるから、製作者至上主義者は恩人であるW3Cが無知に基づいて誹謗されると報復行動に出ることがある。また、様々な思想に触れたいという欲求から、「誰もが作れる環境」を考え、「誰もが見れる環境」を考えるが、見栄えや使いやすさは、ユーザーに任せて良いと考える。特に後者の「使いやすさ」は、代理人になんとかしてもらいたいと考えている。

製作者至上主義者は、思想の洗練が重要であると考えているのであれば、自分の思想に対して肯定的な意見よりもむしろ否定的な意見を重視し、尊重しなければならない。

追記

私はユーザー至上主義を否定しません。現実的には、両者の良い部分を織り交ぜた運営が最適となると考えています。私が否定するのは「コンテンツ至上主義」です。

長めの文になってしまった。多分Mozillaでボーダーの表示バグが起こるんだろうな。って、こんなことで悩むのはいい加減疲れた。


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公開: 2001年09月18日
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