HotWired Japan : Webmonkey : multimedia : ユーザビリティの神様も筆を誤る?
Jakob Nielsenを批判している。しかもかなり強気。翻訳者の問題もあるだろうが。しかし、内容がコミカルであることに違いはない。私はFlashは好きだが、このライターが作ったFlashは見たくない。
「
ブラウザーで設定する文字サイズがきかない。そのためユーザーは、デザイナーが指定したフォントサイズでしかテキストを読めない。デザイナーはとても目が良いからかもしれないが、多くのFlashコンテンツでは文字のサイズが酷く小さい」、視力に関していえば、私は視力の弱いデザイナーをたくさん知っている。ただフォントサイズが固定されているという点についてはその通りだが、デザイナーが「文字のサイズを大きくする」機能をつければその限りではない。つまりこれもデザイナーの問題で、ツールのせいではない。
訳文 より
The 'Make text bigger/smaller' button does not work. Users are thus forced to read text in the designer-specified font size, which is almost always too small since designers tend to have excellent vision.I know plenty of designers who have horrible vision, but the point about fixed font size is true ... unless the designer creates an "increase the text size" feature. Fault: designer, not tool.
原文 より
そうではない。問題なのは、文字のサイズを大きくする機能を、わざわざ付けなければならないこと。何もしなくても可変のものをわざわざ固定するデザイナーが非常に多いというのに、そんな機能をつけるのに時間を割くのを期待するのは、それこそばかげている
。
ちなみに、このライターが関わっているという2つのサイト(http://www.mytrainingcamp.com/ (英語)およびhttp://www.i2ii.com/index.phtml (英語))でも、やはり文字サイズは固定されている。言行不一致。
まあ、HTMLで作る限り本質的に固定なんぞ出来やしないが、恐らく固定した気になっているのだろう。CSSをオフにすると当然文字サイズは可変にすることが出来るが、するとデザインがボロボロに崩れるからだ。
「
何よりテキストが動いていては、その言語を読むのが達者じゃない人にしてみれば、読みにくくて仕方が無い」、これは動こうが動くまいが関係無い。文字が止まっていようがスクロールしていようが、日本語で書いてあったら私には読めない。きっと、日本のユーザーで英語を全く読めない人だって、全く同じように感じるのではないか。したがってこれは全人類の使っている全ての言語にユーザーが精通していないからだ。そんな人がいるのかどうか知らないけど。
訳文 より
Also, text that moves is harder to read for users who lack fluency in the language.If it moves or not is irrelevant; I can't read Japanese, whether it's sitting still or scrolling across the screen. I would venture to guess that Japanese users with zero fluency in English would feel the same. Fault: users, for not being fluent in every language known to man.
原文 より
Nielsenは「少しは読める人」を例に挙げているのに、「全く読めない人」に摩り替えられている。反論にも何にもなっていない。この時点でもう信憑性ゼロ。黙っていれば良かったものを。
最初の論点は、Flashコンテンツが頻繁な更新に向いていないということだが、更新すればいいだけの話だ。Flashムービーをうまく作ってあれば、内容を更新するのは簡単なはずだ。テキストを全部同じフレームにまとめてあるか、あるいは外部に切り分けてあれば、Flashデザイナーでなくたって、誰でも更新できる。これはデザイナーとプロジェクトマネージャーが悪いのであって、ツールのせいではない。
訳文 より
To the first point, that Flash content is not often updated ? update it! If the movie is properly developed, it should be a breeze to update content. Either all the content will be in a particular frame, or the content will be externalized so that anyone ? not necessarily the designer ? can update it. Fault: designer/project manager, not tool.
原文 より
そう。最初の論点は、Flashコンテンツが頻繁な更新に向いていない
ということでした。でもたった2,3行(数十文字)を執筆する間に、この人は論点を見失ってしまう。あるいは意図的に摩り替えてしまう。
Flashデザイナーでなくたって、誰でも更新できる
、そういうものは、恐らく「Flashコンテンツ」とは言わない。せいぜい、Flashオブジェクトが単独で動いて小気味いいナビゲーションアニメを演出しているといった類のものだろう。もし、更新が誰でも簡単に出来るFlashコンテンツを構築することが出来たなら、、そのデザイナーは一冊本を書くべきである。きっと売れに売れるだろう。
つまり、そういうFlashは芸術的なものであって、非現実的であるということ。このライターが、実例を挙げることが出来ていないのが何よりの証拠。
このライターの理論からすると、この問題点を解消するにはフレーム等を使って複数文書を組み合わせなければならない。しかし、フレームにはまたフレームの問題点がある。
最後にNielsenへ:現実を直視すべし。自分のユーザビリティに関する教義を見直して、「Ten Usability Heuristics(ユーザビリティ10原則)」に今どきのデザイナーが感じる違和感を無くすべし。
訳文 より
Nielsen: Step into the present. Adapt your tenets of usability and bridge the gap between the Ten Usability Heuristics and today's designers.
原文 より
非現実的なことを書いているのはどちらだろうか。デザイナーに、ものすごく高度なことを要求しているような気がするのだが。現実、現実というが、何を現実といっているのかさっぱり分からない。その
今どきのデザイナー
とは誰のことだよ。フォントサイズを固定するのが今どきのデザイナーかね。
Nielsenは、そんな馬鹿デザイナーのご機嫌を取るためにUsabilityを研究しているのではあるまい。